●ソリューション事例
3年に渡る栽培試験を経て、
糖度の高さで地域No.1に
甘みとほどよい酸味がバランスよく備わり、瑞々しい果汁と爽やかな食感が人気の鳥取県を代表するフルーツのナシ。美味しさの基準の一つである糖度が、思うように上がらなくて困っている地域があるとの相談を受け、3年の月日をかけて糖度アップを実現しました。
- ●毎年玉太りは良いが、糖度が上がらない
- ●査定会では糖度計を使うので、糖度の低さが明確に分かる
- ●山が近いため、日射量が少なく降水量が多いことが原因か
- ●5~9月にかけて液肥を5回散布する試験を提案
- ●評価できるように試験パターンをいくつか準備しておく
- ●単年では結果が出にくいため試験を3年間繰り返す
●液肥の散布試験を3年かけて実施
ナシの役員様から、毎年出荷しているものの、玉太りは良いのに糖度が上がらなくて困っている地域があるという相談を受けたことが始まりです。そこで液肥メーカーと相談・打ち合わせをして、5月から9月にかけて代謝の促進・改善、食味、糖度向上、翌年の花芽向上などを目的に、液肥を5回散布する試験をご提案。液肥の効果は、天候や圃場の状態で異なるので試験パターンをいくつか準備し、試験を実施することになりました。試験期間中は、こまめに経過観察(いつ散布したか、天候、降水などの状況)を行う必要があるので時間・労力を要するうえ、ナシは野菜のように単年度では結果がでにくい作物であるため、結果を出すには3年もの時間がかかりました。
●地域No.1の糖度の高さが評判を呼ぶ
試験を繰り返した3年の間には、液肥メーカーと一緒に何度も現場に足を運び、生育状況を調べて写真を撮り、それをデータにまとめるだけでなく、毎年8月のナシの査定会には必ず参加して、糖度計で糖度を計り、発表する現場に立ち会いました。糖度は年を追うごとに向上し、3年後にはその地域で1番の糖度のナシを出荷することができたのです。嬉しいことに、翌年からその液肥が地域で採用されて多くの注文が来るようになり、さらには、その話が他の生産者の方の耳に入り、同じように困っておられる生産者の方からもご注文がいただけるようになりました。